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2023年3月3日

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2018年7月7日

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HIVやエイズなどの
性感染症に関するニュース

Basic knowledge of HIV and AIDS

割礼するとペニスの微生物叢が変化するという研究結果
 

割礼するとペニスの微生物叢が
変化するという研究結果

割礼とは男性のペニスまたは女性のヴァギナの一部を切除する行為であり、一部の宗教や民族は儀式的な行為として、幼少期に男児のペニスから包皮の一部を切除します。そんな割礼が行われた子どものペニスでは、微生物叢(そう)に変化が生じるという研究結果が報告されました。

割礼を行うことが性感染症のリスクを下げるという理論は、少なくとも19世紀から存在していました。ジョナサン・ハッチンソンというイギリスの医師は1855年に、「ロンドンの割礼を受けたユダヤ人コミュニティは、割礼を受けていないコミュニティよりも梅毒から保護されている」と主張しました。

しかし、当時の科学者らはハッチンソンの説に飛躍があると指摘し、「ユダヤ人コミュニティに梅毒患者が少ない」という結果をもたらす要因は、割礼以外にも存在する可能性があると反論しました。同様の議論は今日に至るまで続いており、「割礼が性感染症のリスクを下げる」という説の支持派と反対派は、双方が他方よりも科学的根拠があると考えています。

26件の論文データをメタアナリシスした2006年の研究では、割礼は梅毒などの細菌感染症や性器ヘルペスなどのウイルス性感染症のリスク減少に関わっていることがわかりました。また、2020年に発表された2件の研究では、割礼を受けた成人男性のペニスは割礼を受けていない男性と異なる微生物叢を持っているという証拠が見つかり、割礼した場合の微生物叢が細菌性腟症やエイズ(AIDS)といった性感染症の感染を抑制する可能性も示されました。

しかし、エイズを巡る研究結果には議論の余地があります。南アフリカで収集された観察データに基づいた研究では、割礼がヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染リスクを50~60%低下させる可能性があると示されましたが、2022年10月に発表された研究では割礼によるHIVリスク低下はみられなかったと報告されています。アフリカではHIV感染を食い止める方法として割礼を導入する動きもありますが、研究チームは割礼とHIV感染リスク低下の関連性は確認できず、割礼を促進する戦略は正当性に疑問があると指摘しました。

新たな研究では、アメリカに住んでおり割礼を行う予定がある11人の子どもを対象にして、割礼前と割礼後のペニスの微生物叢を比較しました。分析の結果、割礼前と後ではペニスの微生物叢においていくつかの顕著な違いが見られたとのことです。また、割礼後に縮小した微生物叢のいくつかは他の研究で性感染症との関連が判明していることから、割礼が性感染症のリスクを低下させる可能性があると示唆されています。

しかし科学系メディアのScience Alertは、今回の研究結果は確かに興味深いものであるものの、サンプルサイズが小さい点や因果関係が立証されたわけではない点に注意が必要だと指摘。「もちろん、ペニスの包皮を取り除くと微生物叢が変わるのは事実かもしれません。しかし、これらの変化が細菌やウイルスの感染にどのような影響を及ぼすのかは不明です。いくつかの変化は健康にいいかもしれませんが、別の変化は害を及ぼすかもしれません」と述べました。

2023年02月12日 GIGAZINEから

2023年も梅毒急増が
止まらない

梅毒の新規感染者が止まらない。国立感染症研究所が1月24日に公表した2023年1月2日から15日までに、新たに届け出のあった梅毒の新規感染者数は全国で271人に上った。
地域別では東京の52人を筆頭に大阪26人、福岡25人、北海道14人、愛知13人、埼玉と神奈川の11人、兵庫10人、千葉と静岡と広島と沖縄で8人などが目立つ。

年始で検査を希望する人が減ったはずなのに勢いは衰えていない。
22年の梅毒の新規感染者の累計は1万2966人と1万人を大きく超えて1万3000人の大台寸前まで急増したが、今年はさらに多くなるとの見方が性感染症治療の専門医の間でウワサされているという。

「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)の著者で性感染症の専門医でもある「プライベートケアクリニック東京」の尾上泰彦院長に聞いた。
「4月から新型コロナが現在の2類からインフルエンザ並みの5類になることが話題になっていますが、そうなると自粛していた夜のお遊びが増えて性感染症患者が増えるかもしれません。いまは20代の女性を中心に梅毒感染が広がっていますが、その原因となる性感染症についての無知・無理解や貧困は解決しておらず、新規感染者数も一向に衰える様子はありません。今後が心配です」

尾上院長がとくに注目しているのは、若い男女の知識・情報不足だ。梅毒は初期症状があり、比較的わかりやすい性感染症だが、それすら知らないという。
「アダルトビデオ以外に性に関する情報をほとんど得ていないせいか、性感染症の怖さをまるで知らない人が多い。とくに若い女性は男性に押し切られる形でコンドームなしでの行為を受け入れるなど予防に対する知識・情報を知りません。医師にしても性感染症を診ることが少ないため、あまり深刻に考えていないところがあります。それが発見の遅れと感染拡大につながっているのです」

それは感染症発生動向調査週報の梅毒新規感染者の報告時期を見れば明らかだ。2022年は10月5日までに届け出のあった梅毒の病期は早期顕症梅毒Ⅰ期3289人、早期顕症梅毒Ⅱ期2237人、潜伏梅毒1317人、晩期顕症梅毒59人となっている。
「驚くのは晩期顕症梅毒の段階で見つかった新規感染者が59人もいることです。ゴム腫や進行性の大動脈拡張を主体とする心血管梅毒、進行麻痺といった神経梅毒に発展する段階です」

梅毒への無知に加え、若い女性の経済状況の苦境もあるのではないか、と言う。
「女性の多くが正社員でなく非正規社員で働いていて経済的な安定が得られていません。いまより経済状況が良かった令和元年ですら、女性全体の非正規雇用比率は56%で非常に高い。年齢別で見ると、25歳から34歳で37%、35歳から44歳で51.6%、45歳から54歳で57.7%、55歳から64歳で67.7%、65歳以上で82%と高率です。若い女性は正社員であっても職業体験が少ないために収入が少ない。しかも、結婚しても共働きが普通で、女性の負担が大きいことから離婚率が38%台と高い。とくに10代は高率です。貧困が原因で風俗などでアルバイトする女性も少なからずいて、それが感染の温床になっている可能性があります」

しかも、これからは円安に象徴されるように貧乏になった日本にお金にあかせて夜遊びを期待する外国人が多数集まってくる。
その中には梅毒などの性感染症に感染した人がいないとも限らない。梅毒は早期発見すれば、長期作用型のペニシリン注射「ステルイズ」を打つことで治療が完了するが怖いのはエイズだ。

「感染症法に基づくHIV感染者・エイズ患者情報によると、昨年3月28日から6月26日までに171人のHIV感染者と80人のエイズ患者が報告されています。両感染症ともに男性の同性間の特殊な性感染症のイメージを持つ日本人が多いのですが、報告のうち異性間の性交渉によるHIV感染者数が29人、エイズは17人でした。気になるのはエイズと診断された80人はいきなり診断されたわけで、かなり以前にHIVウイルスに感染して発症していたということになります。その間、多くの人に感染を広げていた可能性があるのです」
ちなみに、いきなりエイズの年齢別の人数は20代7人(うち外国籍2人)、30代25人(同6人)、40代20人(同4人)、50代18人(同4人)、60代9人(同1人)、70代1人(同0人)だった。

「エイズは梅毒と感染経路が似ていて重なる部分が多い。そのため、梅毒の急増の裏でHIVやエイズの感染が拡大している可能性があるのです。いまこそ、性感染症予防のための情報の発信と女性の貧困に歯止めをかけないと、日本の将来は梅毒やエイズなどの性感染症により暗いものになってしまいかねません」
新型コロナだけ対策していればいいわけではないのだ。

2023年01月26日 日刊ゲンダイヘルスケアから

2023年も梅毒急増が止まらない

 

HIV検査数 過去20年間で最少コロナ禍で保健所業務がひっ迫か
 

HIV検査数 過去20年間で最少
コロナ禍で保健所業務がひっ迫か

エイズを引き起こすHIV=ヒト免疫不全ウイルスの検査数は去年1年間でおよそ5万8000件と、過去20年間で最も少なくなりました。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う保健所の業務のひっ迫などが影響しているとみられ、厚生労働省は感染者を十分に把握できていないおそれがあるとしています。

厚生労働省は15日、去年1年間に国内の保健所や医療機関で行われたHIVの検査数と感染者数を公表しました。
それによりますと、検査数は5万8172件で新型コロナの感染拡大前の2019年のおよそ4割まで減少し、過去20年間で最も少なくなりました。
また、感染者数は速報値で前の年より72人少ない1023人で、このうちおよそ30%にあたる306人がエイズの発症後に感染が分かったということです。

厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い保健所や医療機関の業務がひっ迫して検査が滞ったことや、受検者の検査控えが影響したとみていて、感染者を十分に把握できていないおそれがあるとしています。
HIVは早い段階で検査を受けて治療を始められればエイズの発症を抑えられるほか、ほかの人に感染を広げるリスクを減らすことができることから、厚生労働省は全国の自治体に対して外部機関への委託などでの検査体制の確保を求めています。

エイズ発症前の治療のため検査機会の提供が重要
HIVの検査数が減少していることについて、国立病院機構名古屋医療センターの横幕能行エイズ総合診療部長は「エイズは発症する前の早い段階で治療できれば、感染していない人と変わらない人生を歩むことができるので、新型コロナウイルスの対応で保健所が忙殺される状況でも検査機会を提供する方策を考える必要がある。自治体はエイズの診療に携わっている地域の医療機関に積極的に声を掛けて連携し、どうやって検査機会を持続して提供していくかを検討してほしい」と話しています。

2022年03月16日 NHK NEWS WEBから

HIVとエイズの基礎知識

Basic knowledge of HIV and AIDS

 

HIVとは

HIVは『Human Immunodeficiency Virus』の頭文字で、ヒト免疫不全ウイルスのことです。HIVに感染すると2〜4週間後に発熱、リンパ節の腫れ、頭痛などの風邪に似たような症状が出る場合がありますが(初期)、ほとんどの人は症状を感じることはありません。感染後2〜8週間で血液中にHIV抗体ができます。そして自覚症状のないまま数年間の潜伏期間に入ります(無症候期)。ヒト免疫不全ウイルスは、免疫の中心であるヘルパーTリンパ球(CD4細胞)という白血球に感染し、免疫力を低下させます。

 
 

エイズとは

エイズ=AIDSは『Acquired Immuno Deficiency Syndrome』の頭文字で、後天性免疫不全症候群のことです。エイズは、HIVに感染することによって発症する病気です。免疫力が低下すると、自分の身体の中で抑えることができるはずの病気を発症するようになります。それらは『日和見感染症』といって23種類の疾患があります。カンジタ症、ニューモシスティス肺炎、サイトメガロウイルス感染症、悪性リンパ腫、カポジ肉腫などの疾患があると『エイズ発症』と診断されます。

 
 

HIVに感染しても治るの?

HIVの感染症に対しての治療薬などは数年前からとても進歩して、エイズ発症を予防することができるようになりました。治療法として作用の異なる種類の抗HIV薬を服用します。しかし、まだ完全にHIVウイルスを身体から取り除く治療法はありません。それでも、エイズを発症しても治療で免疫力を高めることにより、感染前と変わらない生活を送ることができます。HIVの感染が検査などで判明したらすぐに医療機関を受診して、適切な治療を受けることが重要です。

 
 

HIV感染経路

HIVの感染は主に3つの経路が考えられます。
【性行為による感染】HIVウイルスは主に血液や精液、膣分泌液などに多く含まれていて、性行為中に性器や肛門、口腔などの粘膜や傷口から感染します。
【血液を介しての感染】HIVウイルスが存在する血液を輸血したり、違法薬物(覚せい剤など)の注射器回し打ちなどが原因で感染します。日本国内での献血による血液は厳重な検査により最高水準の安全が確保されていて、感染の可能性はとても低くなっています。
【母子感染】母親がHIVに感染していると妊娠中や、出産時、授乳時に赤ちゃんへ感染することもあります。母親が抗HIV薬の服用、帝王切開での分娩、母乳を与えないことなどで赤ちゃんへの感染を1%以下に抑えることができます。
上記の感染経路以外では感染の恐れがないことが分かっていますので、HIV感染を防ぐには性行為を行う時は必ずコンドームを使用して、パートナーとの理解を共有することが重要です。

 
 

日本のHIVの現状

2016年、新規HIV感染・エイズ発症患者報告数は1,448件。感染経路は性的接触が87%で、多くが男性同性間によるものです。新規HIV感染者は1,011件(2015年: 1,006件)、新規エイズ患者は437件(2015年: 428件)、累計報告数は27,443件。年齢では、HIV感染者は20〜30歳代、エイズ患者は20歳以上に幅広く分布し、特に30〜40歳代に多い傾向が続いています。

 
 

世界の現状

2016年末の調べでは、世界中に3670万人がHIVと共に暮らしています。HIVが流行してから約7800万人がHIVに感染し、3500万人がエイズ発症の疾患により死亡しました。死亡者数は最も多かった2005年よりは減少していますが、いまなお全世界で多くの人がこの病気により死亡しています。

 

HIVの検査

HIV Testing

どうして検査を受けた方がいいの?

HIVに感染しても自分自身に感じるような症状はほとんど現れません。検査を受ける以外に自分の感染状態を知る方法はありません。検査で感染していないことが判明すれば、よけいな心配や不安を解消することができます。そして、感染がわかった場合は適切な医療機関へ引き継がれ、HIVウイルスを抑える治療を受けることで今までと変わらない生活をおくることができます。少しでも早く感染を知ることは、身体のダメージを抑えることにもなります。


検査はいつでも受けられる?

HIVの感染初期は、血液中のHIV抗体が検出されにくい時期です。検査で正しい結果を得るために『あのSEXの時に…』と思える機会から2ヶ月以上経ってから受検するようにしましょう。2ヶ月以内であっても、心配や不安を抱えている場合は保健所や、無料で検査や相談が受けられる「サークルさっぽろ」という施設があります。

献血のついでに調べてもらえるの?

HIV感染は、献血では分かりません。検査を目的とした献血行為は、やめましょう。


検査結果はすぐ教えてもらえるの?

保健所などの検査施設には、通常検査と即日検査があります。通常検査は、検査結果がわかるまで 1週間ほどかかります。即日検査は、その日にわかります。しかし“偽陽性”という判断になった場合は確認検査が必要になります。施設のスタッフの方と相談の上、医療機関で再検査を受けてください。

誰かに相談したいこと

Consultation

HIVや性病にかかりやすい人っているの?



かかりやすい人、かかりにくい人などはいません。HIVなどの感染症にかかりやすい行為などがあるということです。HIVなどの感染経路は、日本では性行為がもっとも多いです。誰にでも可能性があるのです。感染を予防するために、そして感染した時にもHIVと共に生きていくための正しい知識、理解を持つことが大切です。

 

検査を受けて「陰性」だった



検査を受けた時点では、HIV抗体ウイルスが検出されませんでした。感染の可能性がある性行為を行った時から2ヶ月以上経過していて「陰性」という結果が出た場合は、HIVの感染はないと考えられます。ただし、感染予防に注意した行動をとらなければ、今後は感染の可能性もあります。セックスを行うパートナーとしっかり話し合い、コンドームを使用するなどの予防を実行しましょう。

 

検査を受けて「陽性」だった



HIVに感染している可能性があるので、医療機関で精密検査を受けて必要な治療を受けてください。検査機関で「陽性」と判定されると、心構えができている人でも大きなショックを受けることがあります。その時は、検査機関で受け取った資料などにゆっくり目を通し、気持ちが落ち着いてから医療機関に行くことも一つの考えです。検査時に相談を受けられる「サークルさっぽろ」のような施設で、話を聞いてもらうことも可能です(要予約)。心配事を相談できるサポート団体もあります。陽性者という同じ立場の人が相談にのってくれる団体もあります。ひとりで悩まず、ゆっくりと検査結果を受け止めてください。

 

陽性者への福祉サービス



HIV感染症の治療は、健康保険を利用しても月々の自己負担が6万円前後かかり、治療は一生続きます。日本では患者さんが治療を継続していく上で経済的負担を少しでも軽くするために利用できる社会制度があります。この制度について知りたいことや相談事などは医療ソーシャルワーカーにお問合せください。NGOや保健所でも相談を受け付けています。

 

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